こんにちは、KOH(@Luck81O)です。
インドネシアはバリ島の人気観光地クタビーチに来ましたが、あいにくの曇天です。
海風に乗って「ビットコイン交換所の実店舗がある」との噂が耳に入り、これは調査せずにはいられません。
日本においてビットコインの交換所と言えば仮想通貨販売所や取引所で通貨の交換取引を行い、代表的なものだとテックビューロ社の運営するBitflyerやZaifが例に上がります。それらはどれも電子上の取引所であり、現在の日本に仮想通貨交換所の実店舗は存在しないのです。
過去には2009年にトレーディングカードの交換所として東京を拠点に店舗展開をしていたMt.Gox(マウントゴックス)が2010年にビットコイン交換所へと転換し、2013年4月には世界のビットコイン取引量の70%を占める交換所でしたが、翌年ハッキング被害によって85万BTC(当時のレートで480億円)を失い、20万BTCを取り戻しましたが、破産申請に追い込まれました。
その後、暗号通貨のブームと共に多くの先進的な企業によってBTCのATMや交換所窓口が全国的に設置されましたが、2017年4月1日に金融庁によって施行された「仮想通貨に関する新しい制度」により、仮想通貨交換業への登録が必要になったことで、ATMや窓口はその姿を消しました。
【参考】仮想通貨に関連する事業を行うみなさまへ-金融庁http://www.fsa.go.jp/policy/virtual_currency/index_2.html
いまや日本では幻となった仮想通貨交換所の実店舗。電子上で取引をした方が確実に楽ではあるのですが、電子機器に慣れないご年配の方々からすると暗号通貨の購入に際して暗号通貨に対して知見の深いスタッフが在中する窓口で投資相談が出来ると、より安心感があるでしょう。
さて、実際バリ島のビットコイン交換所ではどのような光景を見ることができ、どのようなフローで取引が行われているのでしょう。筆者は噂に聞いたバリ島のビットコイン交換所に実際に行き、店舗のスタッフに色々と訪ねて来ました。
bitcoin.co.idに行ってみた
バリ島の中心部クタからタクシーで北へおよそ20分。通り沿いに分かりやすく掲げられた看板が目印のビットコイン交換所に着きました。店舗名は『bitcoin.co.id』と、ホームページのドメインをそのまま使用したストレートな名称です。実際に公式ホームページ(Beli & Jual Bitcoin di Bitcoin.co.id)にアクセスしてみたところ、社名は『Bitcoin indonesia』のようです。
ビットコインのロゴが描かれた看板と同じ柱には外貨両替の看板も掲げられており、どうやらビットコイン以外の各国法定通貨とも両替が可能なようです。
ビットコインのオレンジカラーに彩られた店舗は思っていたよりコンパクトで、1階部分のみが交換所になります。店舗ロゴには招き猫と思わしきイラストが採用されており、インドネシアでも日本と同様に猫が富をもたらすイメージがあるのでしょう。
交換所店内の様子
Bitcoin Indonesiaのオフィスの壁面にはビットコインの飾りが掛けられています。これどこに売っているのでしょうか…
店内はかなり賑わっていますが、客に現地人の姿は見えず、在住の外国人又は筆者のように噂を聞きつけた観光客が主な顧客のようです。
入店後すぐに案内スタッフが対応してくれ、ビットコインを現地通貨のインドネシアルピアに交換したいとの希望を伝えると、整理番号の札が渡されました。待つ事およそ10分、カウンターに通されます。
ビットコインを現地通貨に交換
カウンターではパスポートを提示し、電話番号、メールアドレスを記入。個人のウォレットからBitcoin indonesiaにBTCの交換希望額を送金し、着金が確認出来次第、現地通貨を受け取ることができます。Bitcoin indonesiaの店舗ではビットコインの購入では1%の手数料、売却では3%の手数料がかかります。最低交換額は0.1BTCからという事で、0.1BTCを現地通貨に交換しました。
取材当日の1BTC価格は終値¥1,479,672 始値¥1,721,602 高値¥1,802,497。
0.1BTCを交換した結果、売却手数料の3%を差し引いた2,164,060Rp(約¥16,697)を受け取りました。
こうして実店舗で交換してみると、なんだか不思議な感覚です。しかし、トータルで1時間かかったので窓口相談以外に電子上の取引に勝る点は無いでしょう。
Bitcoin Indonesiaとは
今回訪ねたビットコイン交換所のBitcoin Indonesia。
インドネシアで2013年よりビットコイン交換業をしており、現在はバリ島に2店舗、サマラン、スマトラ、ジャカルタに各1店舗展開しているそうです。
そして実はこちら、仮想通貨交換所ではなく、外貨両替所として営業しており、ビットコインとインドネシアルピアを「両替する」と言う程で営んでいます。アメリカドルや日本円建てでインドネシアルピアとの交換も可能ですが、法定通貨両替所として利用されている感じはありませんでした。
近年インドネシアではマネーロンダリングやテロ資金への流出が危惧され、仮想通貨決済への規制が強まっています。決済手段としてではなく投機商品として扱われる暗号通貨。民間からの認知度は到底低いようですが、投資先として注目の集まるインドネシアの今後が楽しみですね。